不眠症と食事

夜ぐっすり、朝スッキリを体験してみる

不眠症の原因は生活習慣と密接に関わっていますが、今回はその中でも食事に関する話です。

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夕食のタイミング

『夜寝る前に食事をしてはいけない』『夕食は就寝の3時間前までに』などといった知識は多くの人が共有しているものかと思います。

じゃあ『どうして寝る前に食事をしてはいけないか?』と聞かれると大抵の人は『太るから』と答えます。でも実は夜眠る前の食事は睡眠自体にも悪影響を及ぼしています

これは胃腸の消化吸入や、美味しいものを食べたことによる脳の興奮などで体が覚醒状態になってしまい、睡眠を妨げてしまうためです。

『でも満腹になった後って眠くなるよ?』と思う方もいるかもしれませんが、あれは血糖値の上昇によって一時的に眠くなっているに過ぎません。経験がある方も多いかもしれませんが、この状態で眠っても1・2時間程度で血糖値が下がり、今度は体が急速に覚醒を促すため中途半端な睡眠で逆に夜に眠れなくなってしまう可能性が高くなります。

また、就寝時間に対して夕食の時間が早過ぎるのもオススメできません。これは単純に就寝時にお腹が空くからで、グーグーとお腹がなるのを我慢しながら眠るのは不眠症ではない人にとっても大変です。

そのため、夕食の時間は就寝時間から逆算して3~5時間前に済ませておくのが理想的といえるでしょう

朝食は大切

不眠症に効果のある食事についてですが、まず大切なことは朝食を食べることです

人間の体は凡そ、朝覚醒してから14時間程度経つと夜眠るための準備を始めるようにできています。そのため『朝、日光を浴び、顔を洗って朝食を食べる』という、覚醒のためのプロセスは不眠を改善するために非常に有用です。

朝食と昼食のメニューについて一つの指標となるのは『トリプトファンの含有量』です。トリプトファンとは、眠りを促すホルモンであるメラトニンの原料となるアミノ酸のことで、体内では生成できない必須アミノ酸であるため、食事で十分なトリプトファンを摂取することが重要になります

なお、メラトニンが生み出されるためには、アミノ酸の吸収→セラトニンの生成→メラトニンの生成という過程を経る必要が有るため時間がかかるので、できれば朝食で多くのトリプトファンを摂取するようにしたほうがよいでしょう。

といっても、トリプトファンは白米・パン・そば・パスタなどの主食や肉類・魚介類・豆類・チーズなどにも多く含まれているため、普通に食事を取っていればそこまで不足することはありません。

ただし、野菜類や果物からはあまりトリプトファンが摂取できないため、ダイエット等のため主食や肉類をあまり食べないような食生活を送っている場合は豆類を多めに摂るか、サプリメントなどで必須アミノ酸を補う必要があります。

不眠症対策の食事メニュー

トリプトファンを多く含む食材を使った食事メニューの例を幾つか紹介します。()内は食材100gあたりのトリプトファン含有量です。

・木綿豆腐(100mg)にカツオ節(1000mg)をのせたもの
・納豆(240mg)
・木綿豆腐(100mg)と油揚げ(270mg)の味噌(120mg)汁
・高野豆腐(乾燥状態で100gあたり750mg)
・鶏胸肉(270mg)とカシューナッツ(360mg)の炒めもの(野菜類はお好みで)
・しらす干し(半乾燥状態で470mg、釜揚げ状態だと270mg)と野菜類or海藻のサラダ
・たらこ(280mg)のパスタ(140mg)
・クロマグロの赤身(300mg)の刺し身
・焼き魚 サワラ(230mg)・鮭(230mg)・ぶり(250mg)

こうしてみると焼き魚と納豆と味噌汁という日本の朝食風景は、多量のトリプトファンを摂取するのに適したメニューであることがわかります。きっと昔の日本人は不眠で苦しむような人は少なかったのではないでしょうか。

 

夕食のメニューについてはトリプトファンの摂取よりも消化しやすく、体が温まる食事を取ることが大切です。消化のしやすさについては上で書いたとおり、 胃の中にものがある状態では体がうまく休めないからです。

そして体が温まる食事についてですが、人間の体温は朝食を食べたあたりから上がり始め、昼ごろにピークを迎え、夜眠る前になると一気に下がるようにできています。そのため、夕食や入浴で体を温めておくと就寝までの間に体温が下がり(わざわざ体を冷やすようなことをする必要はありません)、強い眠気を催すようになります。

睡眠と食事

これまで書いてきたとおり、食事と睡眠には強い関連性がありますが、不眠症を治すために食事に強い制限をかけてしまうと逆にそれがストレスになり、不眠を悪化させることにもなりかねません

このページでは就寝時間に合わせた夕食のタイミングを考えることと、『野菜=健康肉=害悪』ではなく肉や魚にも重要なアミノ酸があること、ダイエットなどで肉や魚介類を食べないなら大豆類の摂取は大切だということ程度を理解してもらえればそれでいいかな、と思います。

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